お知らせ

ご報告  2023/04/15
地域ケア連携をすすめる会主催 「山谷地域の介護・看護・生活支援のお仕事説明会」のご報告
  2023年 3月11日

  2023年3月11日、地域ケア連携をすすめる会主催のシンポジウム「山谷地域の介護・看護・生活支援のお仕事説明会」が台東区清川区民館で開催、学生や研究者、一般の方など24名が参加されました。
 
 
  運営委員長の尾形欣也氏(三井記念病院相談員)の挨拶の後、NPO法人友愛会理事長 吐師秀典氏が、「山谷のうつりかわりと現状」と題し、江戸時代の山谷のはじまりから、戦後高度成長そして現在の山谷までの興味深い歴史を解説。
 
 第二部「山谷地域での地域ケア連携の実践」では、当会代表理事の滝脇憲が、「居住支援・生活支援の取り組みについて」と題して山谷における居住支援を説明。ほうらい地域包括支援センター木下明氏からは、簡易宿泊所、アパートの住民を地域連携で医療、介護へとつなげた連携事例を紹介、昨年まで「三晃」でスタッフをしていた私・松元が、日常生活支援施設「三晃」の事例を紹介し、偶発的・多層的な支援が同時多発的生まれる場であることを説明しました。  
 
 
 
  第三部「山谷地域の地域ケアを支える仕事」では、NPO法人訪問看護ステーションの鵜沢喜恵子氏が訪問看護、ケアサービス福寿草の柳澤正彦氏が訪問介護、浅草あおばケアサービスの加藤宏樹氏がケアマネージャー、こころヘルパーステーション合同会社の大竹かほる代表がデイサービス、橋場診療所看護師長の松井美春氏が在宅医療を、それぞれ山谷という地域での特性を踏まえて紹介してくれました。 「とにかく相手をわかろうとすること、話をずっと聞き続けること、相手を尊重すること」(鵜沢氏)、「頼る人がいない人の衣・食・住、当たり前のことを支える」(柳沢氏)、「どんな人でも受け入れる包容力があり、居場所があり、心配してくれる人がいるというのは山谷の魅力」(加藤氏)、「人生の最後に、『あんたちと知り合えていい人生だったよ』と言ってもらえるとうれしい」(大竹氏)、「入院せずに、亡くなる前の日までみんなと笑いあっているのが理想」(松井氏)など非常に印象深い話が聞けました。 それぞれの団体が、地域でのインフォーマルな部分の支援・ケアを分担していることが改めてよくわかりました。
 
 質疑応答では、「どうやって連携をとって分担を決めているのか?」「地域ケア連携をすすめる会はどういうきっかけで生まれたのか?」などの質問もありました。 最後は、希望者に山谷地区を案内、「全然知らなかった地域なので勉強になった」「町の歴史から実際の支援の現場まで見られて興味深かった」などの感想をいただきました。  
 私としても、山谷を支える支援の厚み、そして支援のユニークさを実感し、支援者それぞれの思いが聞け、地域での支援について改めて考えるいい機会となりました。 何か困ったとき、相談すれば、みんなが考えてくれるネットワークがあるというのは、支援者にとっても大きな安心感につながります。
 ふるさと福久井荘 施設長 松元文樹